ロンジン Cal.9LT
角形の名機と言われるムーブメント
Cal.9LT (25.17)
1832年に設立されたスイスの老舗メーカー ロンジン
プライドを感じる時計でした。
17石 5振動
たいへん美しいムーブメント、スモールセコンドの配置が独特です。
面取りされた4番車(下から二番目の歯車)が素晴らしいですね。
オールドロンジンから感銘を受けるのはこういう所なんです。
細部に異常なほど手間がかけられている。
IWCの89などもそうなのですがパーツの厚みもしっかりあって長く使われることを前提に設計されています。
写真中央のカナ秒に秒針(スモールセコンド)が付きます。
受けはアンクルと一緒になってます。
これはロンジンの23ZSのリューズ取り付け部分です。
マキシンの入るところが2箇所ネジで止められており地板と別部品になっているのです。
9LTも同じ造りです
時計においてリューズを回すことは避けられません。
特に手巻きは動かす頻度が高く、古いムーブメントは穴が拡がってガタつきが出ているものも多く、巻き上げ不良・部品の著しい削れといいた様々な不具合の原因になります。
ここを消耗品とし対策した腕時計メーカーはほとんどありません、異常なこだわりです。
文字盤側
秒針が付くカナから先は続く部品がなくフリーなので規制が必要です。
歯車には隙があり規制が無いと針の動きがおかしくなります。跳ねたり一瞬動かなかったりします。
9LTは機械裏で小さなバネを芯に当てて規制しています。
輪列配置からして他に手段が無いのでしょう
14金ケース
ラグが外に向かって拡がっているフレアードデザインです。
なんとも言えない品の良さが漂っていますね、素晴らしい造形美。
金ケースはペラペラでラグも中空になっている物が多くあります。
刻印と見た目で『おぉ!!』と思ってもガッカリしますね
こちらはしっかり中身のある時計です。
ベルトはテジューの青をお選び頂きました。トカゲは発色が良いですね。
高級感が増してます。
最近はあまり古いロンジンに触ることがなかったので長くなってしまいました。
こちらはコレクターさんからの修理依頼品です。
ありがとうございました。